あはははは

いざ、参らん!

喜び組組長

ある日の夕暮れ時。
一人の老婆が
家の裏を流れる小川で
手ぬぐいの汚れを落としていた。

家の中ではその
夫と思われる老爺が
一人でカチャカチャ
飯を食っていた。

これが
この地域の
一般家庭の
生活風景なのである

その証拠に
およそ50メートルほど
坂を上った地点に位置する
隣家でも、
似通った格好をした
一回り若い壮年の夫婦が
囲炉裏の前で
カチャカチャやっているし、
また、
その家からさらに
50メートルほど上った所の家でも
背中に大きなコブのある老婆が
汁椀を片付けている。


一人の男が
小川にかぶさっていた老婆のことを
林の中から立ったまま眺めている。
この男、実は、
朝からずっとここに立っている。